NST(Nutrition Support Team)
NSTとは
Nutrition Support Team(栄養支援チーム)の頭文字を取った略称のことで、患者様の栄養状態の把握とその評価を病院で働くスタッフ全員で行い、それを是正し、病気からの早期回復または維持ができるように支援していくチーム医療のことを言います。
NSTは1970年にアメリカのシカゴで「医療の質の向上と不要な医療費の削減」を目的として誕生しました。当時、アメリカでは栄養不良の入院患者が多く、そのような患者は回復が遅いばかりか、静脈栄養により合併症を併発しやすく死亡率が高いことが報告されました。 経済面から見ると、在院日数が長くなり医療費を増大させることになります。 そこで代謝・栄養学の専門家である医師・薬剤師・栄養士らがシカゴに集結し、「患者を救うには専門的な栄養管理チームが必要だ」と提唱したのです。
ある日本の病院では「NSTとは『患者(ヒト)が必要としている栄養素(質・量)を摂取できる方法(例えば静脈や経腸)で提供し、健康を早く回復(維持)できるよう支援するチーム医療』である」と定義しているそうです。
栄養と病気とのかかわり
~なぜ病気を治すのに薬のみではなく、栄養が必要なのか?~
私たちは食事をすることによって糖質(炭水化物)、蛋白質、脂質の三大栄要素を含めて、ビタミン・ミネラル(電解質、微量元素)などの栄養素を摂取しています。 しかし、栄養の効果は薬の効果や褥瘡の治癒過程と比べると、目に見えた変化が出るまでに時間がかかるため目立たなくなりがちです。
では栄養が足りなくなったらどうなるのでしょうか?
「すべての病気を治せる薬はないが、栄養はすべての病気に効く」という言葉があります。
栄養管理はすべての疾患治療の上で共通する基本選択肢であり、不適切な栄養管理をすると、いかなる治療法も効力を失ってしまいます。
NSTにおいてどのような職種がどのように機能するのか?
下記の内容で、9職種が各々の専門分野の知識と技術を持ち寄ってNST活動を行っています。
| 1 | 看護部 | 患者様の状態・経過報告 |
| 2 | 介護部 | 介護時に気づいた患者様の嗜好・摂食状況報告 |
| 3 | リハビリテーション部 | PT,OT,STより機能状態報告、リハ内容・経過・計画 |
| 4 | MSW | 入院前情報(自宅・施設)、退院後の予定 |
| 5 | 放射線科 | VF関連 |
| 6 | 検査科 | 検査データの評価、身体計測値報告 |
| 7 | 薬剤部 | 輸液、内服薬情報報告、輸液成分表作成 |
| 8 | 栄養科 | 食事内容(摂食状況)等報告、栄養アセスメント |
| 9 | Dr | 以上に対してのコメント、総括 |
具体的な栄養管理
担当管理栄養士がスクリーニングの段階で栄養状態に問題ありと判断した場合、NST専従者とNST介入の必要性を検討します。また、栄養管理を行ってゆく中で、食事摂取量が3日間連続で1/2量以下の方もNST介入の是非を検討しています。
NST介入はNST専従者が中心となって検討しており、まずBチーム(専従の管理栄養士、専任の医師・看護師・薬剤師の4名から成るチーム)へ介入します。回診を行ってゆく中で難渋症例はAチーム(専従の管理栄養士、専任の医師・看護師・薬剤師の他、リハビリ、MSW、検査技師、介護士から成るチーム)へ移行し、ミーティング及び回診を行います。
1)NSTミーティング及び回診
●Aチーム 毎週金曜日午後
ミーティングの中で、表1の順に症例についてプレゼンテーションを行い、現症の把握と評価を全員で行った後、回診を行っています。
・新しい経腸栄養剤・輸液の紹介、栄養補助食品の試飲や試食
●Bチーム 月曜日~金曜日午後
カルテや回診記録などをもとに、ミーティング・回診を一度に行っています。

2)グループワーク活動
NSTでは摂食嚥下障害チーム、褥瘡対策チーム、PEGチームの3つのチーム(グループ)を編成し、活動を行っています。
どのような成果が期待できるのか?
NSTを行うことによって、各スタッフが個々の患者様の栄養状態や全身状態が把握できるようになり、専門性を生かした効果的な栄養管理で疾患の回復に寄与できます。
経済面でも平均在院日数の短縮や褥瘡患者数の減少及び中心静脈栄養にとって変わった経腸栄養により医療費の削減等の成果が期待できます。
今後どのような展開をしてゆくのか?
NSTを院内だけで行うのではなく、今後は他院や施設との連携を充実させ、その後在宅まで栄養療法が継続されるように発展させてゆきたいと思っております。
2006年9月より水曜日の15時30分~NST外来を開設致しました。それに伴い、在宅における栄養療法(経管栄養、静脈栄養)の指導、栄養状態の評価、あるいは在宅で発生した摂食・嚥下障害、低栄養に対する相談等に応じています。
また、平成21年1月より、鶴田歯科医院の先生方にご協力いただいて、歯科回診、歯科往診を開始することができました。
回診(口腔ケア)は毎週月曜日、往診は随時(曜日不定)行っております。
NST認定証














〒854-0301