NST | 医療法人伴帥会 愛野記念病院

NST(栄養支援チーム)

NSTとは

Nutrition Support Team(栄養支援チーム)の頭文字を取った略称のことで、患者様の栄養状態の把握とその評価を病院で働くスタッフ全員で行い、それを是正し、病気からの早期回復または維持ができるように支援していくチーム医療のことを言います。

栄養と病気とのかかわり

~なぜ病気を治すのに薬のみではなく、栄養が必要なのか?~

私たちは食事をすることによって糖質(炭水化物)、蛋白質、脂質の三大栄要素を含めて、ビタミン・ミネラル(電解質、微量元素)などの栄養素を摂取しています。
しかし、栄養の効果は薬の効果や褥瘡の治癒過程と比べると、目に見えた変化が出るまでに時間がかかるため目立たなくなりがちです。
では栄養が足りなくなったらどうなるのでしょうか?
「すべての病気を治せる薬はないが、栄養はすべての病気に効く」という言葉があります。
栄養管理はすべての疾患治療の上で共通する基本選択肢であり、不適切な栄養管理をすると、いかなる治療法も効力を失ってしまいます。

NSTにおいてどのような職種がどのように機能するのか?

主に下記の内容で各職種が専門分野の知識と技術を持ち寄ってNST活動を行っています。

  • 医師:医学的診断 チームの要
  • 看護部:看護上の気づき等患者情報の提供 
  • PT:運動機能評価
  • OT:食事動作の評価 ポジショニングの提案
  • ST:嚥下機能評価 食形態の提案
  • MSW:退院支援
  • 臨床検査技師:検査データからの問題点抽出
  • 薬剤師:内服薬情報 副作用や配合変化等
  • 栄養管理士:栄養アセスメント 栄養プランの提案
  • 歯科医師・歯科衛生士(外部):口腔内評価 口腔ケア指導

NSTミーティング及び回診

NST介入はNST専任管理栄養士が中心となって検討しています。①低栄養状態、②食事摂取量不足、③主治医からの依頼、④NSTスタッフからの提案 などによりNST介入の必要性を検討しています。

ミーティングのなかで各職種が症例についてプレゼンテーションを行い、現症の把握と評価を全員で行った後、回診を行っています。 新しい経腸栄養剤・輸液の紹介、栄養補助食品の試飲や試食も行っています。

歯科連携

「口から食べる」には、口腔内の痛みがないか、義歯があっているかなどの口腔内環境も大切です。
平成28年5月より近隣歯科と協力し、NST歯科連携を行っています。歯科医師及び歯科医療関係者はNSTミーティング及び回診に参加し、口腔管理(口腔清掃方法、口腔乾燥に対するケア、義歯の使用方法等)に関するアセスメントを行い、患者本人または看護師・言語聴覚士等への指導・助言を行います。
歯科医師による専門的な口腔管理が必要と判断された場合は、本人または家族の同意のもと、往診で専門的な口腔管理を行っています。

NST実地修練

2018年より日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)NST専門療法士教育認定施設として、臨床実地修練を行っています。
年2回の実施を計画しており、院外からの研修生も受け入れ、地域のNST活性化に寄与しています。